現役で、デッサンにて9割のスコアを叩いて、大学に入学した私は浮かれていた。1年次、各学科をひと通り受講させられ、後期、2年次以降の専攻、つまり配属の研究室が決定される。通常、芸大/美大では、入試の時点で「科」を決めて受験する訳だが、飽く迄、教育学部の美術コースであるウチはそうだった。
皆、「俺は/私は油彩をやるんだ」と意気込んで入学する訳だが、1年次の成績や、希望の研究室の先生に気に入られているか否かによっては、希望は叶わない。確か、希望を紙に書いて提出ののち、教授たちによる面接が行われる。
教授たちの腹はきっと決まっていて、定員から溢れた者は、「こっちの研究室の方がいいんじゃないか」という、夢を砕く「口説き」を受けることになる。泣く者もいたかと思う。今思えば教授陣も心が痛んだかもしれないし、例年のことで淡々とこなしていたかも知れない。
10歳から油絵を描いていた私は、「今更学ぶことはない。未知の彫刻をやる。」として彫刻を選んだ。

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